Evernote。値上げするわ使いにくくなるわで、開発がヨーロッパに移ってから微妙な感じ。年間契約ではなく月払いにして移行先を探しているけど、Joplinを試してみた。
Evernoteのエクスポートはevernote-backupで
移行のためには、まずはEvernoteのノートのエクスポート。一度にエクスポートできるノートの数に制限があるため、「Evernote Legacyを使う」と言っているブログがあるが、情報が古い。Evernote Legacyではログインできなくなっているので、使えないのだ。
ノートブック単位でエクスポートするには、ノートの数に制限がない。ちょっと手間だけど、ノートブック単位でエクスポートするのが一番簡単だろう。
ただ、ノートブックがたくさんある場合、この方法はしんどい。evernote-backup というPythonで書かれたバックアップツールを使えば、ノート全てを一度にエクスポートできる。Pythonを使うことに抵抗がない人には、おすすめ。
JoplinでインポートするときのコツとRenderer process goneへの対処
Joplinへインポートするときは、インポートメニューでENEX形式を選ぶ。ファイル単位かDirectory単位か、MarkdownかHTMLかで4つほどメニューがある。
evernote-backupはノートブック単位でファイルを作るため、Directory単位を選べば一気にインポートできる。
MarkdownかHTMLかは、どうやらMarkdownだとノートのレイアウトが崩れることがあるらしい。HTMLが無難そう。
通常ならこれでインポートできるのだが、「PDFを貼り付けたノートが大量にある」「PDFのページ数が多い/レイアウトが複雑」といった場合は、注意、というか、コツがいる。そのままインポートすると、「Renderer process gone」というエラーが出ることが多い。
エラーが出ても「セーフモードで再開」すればよいのだが、何度も頻繁に出るようだと対応に時間が取られる。少し設定を変えて順番に進めることで、発生頻度を大幅に下げることができた。
それは
- 「同期」「OCR」を無効にしてインポートを行う。
- インポートが終わってから「同期」を有効にし、同期が終わるまで待つ。
- (使用頻度の低いPCがあれば、そっちもで「同期」を有効にしてノートをダウンロードする)
- OCRを有効にする。
という手順。
Geminiに聞いたところ、OCRの処理が重くなることがあり、「Renderer process gone」というエラーの原因にもなるとのこと。
手順1でまずはインポートを終わらせ、手順2で同期を行う。
手順3は、OCRの処理を他のマシンでやる場合の話。処理結果は同期されるという仕様なので、こういったことができる。
これを行う場合、同期の設定で「添付ファイルのダウンロードの動作」を「いつも」にしておく必要がある。ダウンロードされていない添付ファイルは、OCRの処理対象にならないので、この設定は重要。
手順4で、OCRの処理を開始させる。とにかくCPUを使う処理なので、「Chromeなど他のアプリは終了させる」「ノートPCなら電源を繋いでフルパワーで処理させる」といった準備をしておいた方がいい。
ここまでやっても「Renderer process gone」のエラーは出てしまうが、アプリを再起動させれば処理を続けてくれる。
処理の進捗はログファイルで確認
OCR処理や同期処理は、ログファイルに記録されている。
- Windows: %USERPROFILE%\.config\joplin-desktop\log.txt
- Mac: $HOME/.config/joplin-desktop/log.txt
処理時刻が書かれているので、進捗状況を確認することができる。
PDFがプレビューで表示されないのはOCR処理が終わっていないから?
Geminiの回答はそうだった。確かに、一部のページ数の少ないPDFはプレビューで表示されている。OCR処理はまだ動いているので、これは後日再度確認する。
同期はDropbox
Joplinのノートの同期方法は複数あるが、共同作業を行えるのはJoplin Cloudだけのよう。ここは、「個人で使うから共同作業は不要」と割り切ることにした。
Joplin CloudやDropbox、OneDriveについては、設定ウィザードがある。これからから選ぶとしたら、Dropboxかな。OneDriveは、(Joplinではないけど)ファイルの同期に時間がかかるという声を聞くし。
Dropboxは、有料版ならパスワード管理ツールなども使える。無料版だとPCやスマホの台数に制限があり、自分の場合はその制限に引っかかってしまった。