なぜそのSQL文がエラーにならないのか?
久しぶりにMySQLを使ったシステムのお仕事。INSERT文でnot null制約の付いたカラムが書かれていないのに、エラーにならずに実行されていて???となったが、これ、sql_modeに STRICT_ALL_TABLES も STRICT_TRANS_TABLES もセットされていないからだった。
STRICT_ALL_TABLES と STRICT_TRANS_TABLES
MySQL :: MySQL 5.6 リファレンスマニュアル :: 5.1.7 サーバー SQL モードの「厳密な SQL モード」にSTRICT_ALL_TABLES と STRICT_TRANS_TABLES の説明がある。厳密モードが有効でない場合、MySQL は無効または欠落した値に対して調整された値を挿入し、警告を生成します とあり、not null制約のカラムに値がセットされない場合は「調整された値を挿入」して辻褄を合わせてくれる。まさに、「小さな親切大きなお世話」な仕様だ。
デフォルト設定はどうなっているのか?
5.6, 5.7ではSTRICT_TRANS_TABLESがセットされる。
5.5以前にはSTRICT_TRANS_TABLESはない
5.6になってまともになったようだ。
AWS RDS MySQL 5.6にはSTRICT_TRANS_TABLESはない
ちゃんと設定しましょう。
今の設定はどうなっている?
my.cnfを確認。なのだが、
- MySQLのサーバはインフラチームが管理していて、ログインできない
- RDS MySQLなのでmy.cnfを見れない
SELECT @@GLOBAL.sql_mode;
とすればOK。
sql_modeを変更するときの影響範囲は?
sql_modeはmy.cnfで設定する。ので、Server全体に影響する。だが、session単位(接続単位)で変更することができる。
SET SESSION sql_mode='設定したいmode';
複数のmodeを設定する場合も
SET SESSION sql_mode='STRICT_TRANS_TABLES,NO_ENGINE_SUBSTITUTION';
とすればよい。いちいち書くのが面倒?当然Connectionを管理するライブラリ使っているでしょうから、そのライブラリをよーく調べてみましょう。SpringFrameworkなら、AOPでさっくりと。